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「きゃっ!」
1mはあるだろう。その巨大ネズミは目もくれず亜矢の裸身に飛び掛ってきた。
柔らかそうな肉が目の前にあるのだ。彼らにしてみれば、久々のご馳走というところだろう。
亜矢は恐怖し、逃げ回った。
滑稽なことに、逃げた先は崩れた石壁の奥だった。つまり、彼ら巨大ネズミの巣に逃げ込んでしまったのだ。
そこにいた数匹の巨大ネズミが亜矢に気づき、その体を食らおうと飛び掛ってくる。
「やっ、やだっ!・・・こないで!」
亜矢は必死に逃げ回る。
が、何かにつまづき壁際へ倒れこんでしまった。
「ああっ!」
このままではネズミに食われる、そう思った時、手元に何か固いものがあるのが目に留まった。
亜矢は無我夢中でその鈍く光る金属体を握り締めた。
「よう」
この差し迫った時には酷く不釣合いな、慣れなれしい声が聞こえた。
「やっとオサラバできるよ!オレの名はLilarcor」
「なっなに?!」
「コロシが好きなごく普通の剣だ。よろしく」
亜矢は驚愕する。剣がしゃべり出したのだ。
「何だ、囲まれてるじゃないか」
コクコクと亜矢は泣き出しそうな顔をうなずかせる。
「ほら、オレを振りかぶってみなよ」
亜矢は言われるままにネズミに向かってその剣を振った。
ガッと鈍い音を立て、剣にあたったネズミがあっけなく吹き飛ぶ。
「え?ええ?!」
「楽勝楽勝」
返す刀で残りのネズミも薙ぎ払ってしまった。
「な、何なの、これ?」
運動は得意な方ではない亜矢は、軽々と重そうな剣を振り回したことに驚く。
「何って、オレのお陰に決まってるだろ?って・・・おいおい」
亜矢はネズミの餌にならずに済んだことでは気を抜かして、座り込んでしまった。
「大丈夫か?」
「全然大丈夫じゃないよ」
亜矢は泣き出していた。
「おいおい泣くやつがあるかよ」
「だって・・・」
「なんだか知らねぇけど、前の持ち主みたいにならずに済んで良かったじゃねぇか」
「前の持ち主?」
「お前の隣にある、骸骨だよ」
「ひっ!」
亜矢はまた泣き出してしまった。
「・・・ああぁ、本気で泣かせちまったか。オレって罪な剣だよなぁ」
~続く~
<<第2話 第4話>>---------------------------------------------------
使用Mod
◆
Lilarcorhttp://www.tesnexus.com/downloads/file.php?id=3460
Uploader:MaXiMiUS
日本語パッチ(Lilarcor Ver.1.4 JPver)http://www.4shared.com/dir/4060212/93837f33/Re-Upload_JPfiles.html
しゃべる剣「Lilarcor」です。主人公の亜矢は日本の学園の女の子という設定なので(止めときゃ良いのにw)、道案内役をさせる為にこのModを入れてみました。
しゃべるといっても勝手に適当なメッセージが出るだけなんですが、まぁ、面白いので、お試しください。音声もあるようなのですが、めったに声つきでしゃべりません。
本来だと、ここ
の洞窟にあるのですが、この話の都合上、CSを使って最初の洞窟に配置しています。
もっとも、このMod、V1dot4を入れないと、「Weynon Priory」のチャペルの裏にいるスケルトンが持っています。
それから、どうやらテクスチャーとメッシュの指定が間違っている様なので、CSでもって直さないといけません。今回ついでに「BlackLuster Claymore」のテクスチャーとメッシュに変更してあります。元のLilarcorの造型がお世辞にもカッコいいと言えないので(;´∀`)
- 2008/08/24(日) 14:22:52|
- TES Sumner's Tales
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「暗殺者が息子達を襲撃した。次は私の番だ」
皇帝と名乗った男は沈痛な面持ちで語る。
亜矢は混乱していた。
「あの・・・何が起きているのですか?・・・私はなぜここにいるの?」
皇帝は沈黙し、絞りだすように答える。
「恐らく神が我々を出会わせる為にお前をここに導いたのだろう」
皇帝はじっと亜矢の目を見つめ、その奥にある何かを見つけようとしていた。
「陛下、こちらです」
皇帝に付き従う兵士が壁の一部に触れる。すると石牢の壁が大きな音を立て動き出した。
土埃とともに姿を現したのは隠し通路だった。
兵士達は皇帝を守りながら中へと入っていく。
ひとりの兵士が亜矢を一瞥し、
「運がよかったな。我々の邪魔だけはするなよ」
と言い、石壁に開いた大穴をくぐった。
亜矢はためらったが、しかし、暗殺者が後を追っているという。
ここにいるよりは、と意を決して通路へ出た。
通路は迷宮のようだった。暗く、湿気に淀んだそこは、石のアーチが連なっていた。
「怪しい動きはするな。私が貴様を見張っているぞ」
後からついてきた亜矢を見て、先ほどの兵士が睨む。
亜矢はビクリと細い肩を震わせた。
その時、突然目の前にいくつもの人影が現れた。
「皇帝を守れ!」
兵士達は人影に向かって剣を抜き放つ。
剣戟が始まった。
これが皇帝の言っていた暗殺者なのだろう。赤いフードを被り黒い鎧を身にまとった彼らは、声もたてず皇帝へと突き進む。
それを兵士達が阻み、剣が鋭い音をたて火花を散らしてぶつかり合う。
亜矢は思わず両手で顔を覆い、後ずさりしようとするが足元が震え、数歩もあるけなかった。
数分後、戦いは兵士達の勝利に終わった。しかし、数体の暗殺者の死体に混じって、女の兵士の死体が横たわっていた。
「残念ながら彼女は死にました」
兵士のひとりが皇帝へ告げる。
「しかし私達は行かなくては」
剣で体を裂かれ血の海に横たわる無残な死体の前で、亜矢は声を失なった。
「囚人、ここにいろ。我らの後についてくるな」
「え?」
振り返ると皇帝と兵士達は奥の部屋に消えようとしていた。
「ま・・・待って!」
慌てて扉へ駆け寄るが、中から鍵をかけられたようだ。
「そんな・・・」
呆然としたその時、大きな音を立て、後ろの石壁が崩れた。
そして中から飛び出してきたのは、巨大なネズミだった。
~続く~
<<第1話 第3話>>
- 2008/08/22(金) 23:03:49|
- TES Sumner's Tales
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赤錆びた鉄格子の奥・・・誰のものとも知れぬ骨が転がり、血と体液の饐えついた臭いが漂う石牢の中、少女が幽かにもれる月明かりに白い裸身をさらしていた。
「ん・・・ここは・・・」
記憶が濃い霧がかかったように混濁していた。頭の奥が重く、ズキズキと痛む。
「わたし・・・私は・・・」
朦朧とした意識の中、体中に鈍い痛みを感じた。
少女はようやく思い出す。自分の名前が亜矢だということを、そして、いつの間にか別の世界に紛れ込んでいたことを。
「・・・そうだ私・・・」
意識を失う前、酷い拷問を受けたことを思い出した。
男たちは古代ローマの様な鎧を着て、ここは帝都だと言っていた。そしてお前はスパイだと言っていた。
亜矢は、ただ、お家に帰してと繰り返し泣き叫ぶことしかできなかった。・・・
声が聞こえる。
向かいの牢獄からだ。その罵声は拷問がこれからも続くことを喚いていた。亜矢は耳を塞いだ。
また涙がにじんできたとき、足音が聞こえてきた。大勢いるようだ。亜矢は怯え、身を硬くした。
「この囚人は何をしているのだ?この檻は立ち入り禁止のはずだが」
「見張りの手違いかと、私は・・・」
「気にするな。その扉を開けなさい」
「囚人、窓まで下がれ。大人しくしていれば怪我をせずにすむ」
また酷い目に合わされる、亜矢は体を震わせ、弱弱しく首をふった。
しかし、
「後ろに下がれ囚人よ!」
男は繰り返し叫び、ついには業を煮やし鉄格子を開けた。
亜矢は飛び起き、壁際に慌てて逃げた。
「お前・・・見たことがある」
「お前には夢の中で会ったことがある・・・」
そう言った男は、自分は皇帝だと名乗った。
~続く~
第2話>>---------------------------------------------------
使用Mod
◆
REL - SickleYield's Ankle/Neck/Tail Ironshttp://canadianice.ufrealms.net/forum2/index.php?topic=6132.0
Author:SickleYield
手枷・首枷・足枷・尻尾枷(w)を追加します。サンプル↓
・・・何のサンプルだかw
ここにあります。
- 2008/08/22(金) 22:27:55|
- TES Sumner's Tales
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